契約締結時交付書面とは?契約締結前交付書面との違い

免責事項:本記事は一般的な情報提供を目的としており、法的助言または個別商品の推奨を行うものではありません。書面の名称、交付時期、記載事項は取引や契約によって異なるため、実際に交付された書面と事業者の案内をご確認ください。

契約締結前交付書面は契約前の判断材料、締結時交付書面は成立内容の確認資料です。元本、分配金、運用成果は保証されません。

契約締結時交付書面とは

二つの書面を分ける基本は、受け取るタイミングと目的です。片方を読めばもう片方が不要になるわけではありません。

契約締結時交付書面は、金融商品取引契約が成立したときに、金融商品取引業者等から顧客へ交付される書面です。どの契約が、どのような条件で成立したかを後から確認できるようにする役割があります。紙だけでなく、法令上の条件を満たす電磁的方法で交付される場合もあります。

交付日、契約日、取引の種類、当事者、金額、成立した条件などを見て、その書面が何を記録しているのかを確認します。事業者の画面上では「取引報告書」「契約内容確認書」など、サービス固有の名称が併記されることも考えられます。

この書面は、契約後に条件を新しく選ぶための資料ではなく、成立した内容を確認・保存するための資料です。申込時に見た交付書面の表示だけに頼らず、申込内容と交付書面の記載が一致しているかを確認します。疑問や相違があれば、書面に記載された連絡先へ速やかに問い合わせます。

貸付型ファンドでは、出資契約の内容、出資金額、契約成立日などが確認の中心になります。個別商品の記載項目は一律ではないため、交付された書面全体を確認することが必要です。

契約締結前交付書面との違い

契約締結前交付書面は、顧客が契約前に重要事項を理解し、申込みを判断するための書面です。ファンドの概要、仕組み、手数料等、損失が生じる可能性を含むリスク、事業者情報、連絡方法などが記載されます。第二種金融商品取引業協会も、ファンドへの出資前に契約締結前交付書面の内容を確認するよう案内しています。

これに対し、契約締結時交付書面は、すでに成立した契約の内容を確認する書面です。簡潔にいえば、締結前は「この条件で契約するか」、締結時は「どの条件で契約が成立したか」を確認します。目的が違うため、似た項目があっても同じ書面として扱うことはできません。

確認の順序も異なります。契約締結前交付書面は申込をする前に読み、理解できない点を問い合わせます。契約締結時交付書面は成立後に受け取り、申込内容や事前説明と相違がないかを確認し、契約関係が続く間は保管します。

締結前交付書面は判断材料、締結時交付書面は成立内容の記録というように役割を分けると、確認漏れを防ぎやすくなります。

電子交付で確認したいこと

金融商品の顧客交付書面は、オンライン上で電子交付されることがあります。電子交付だから内容が軽くなるわけではなく、契約前と契約後で書面の役割が変わるわけでもありません。受領画面のファイルを開き、対象契約と交付日を確認します。

まず、保存場所を把握します。マイページの「交付書面」「電子書面」「取引履歴」など、どの画面から再確認できるかを確認し、必要に応じて端末へ保存します。ファイル名だけでは対象を区別しにくい場合があるため、契約名や日付が分かる形で管理すると便利です。

次に、更新版との区別を確認します。同じ名称の書面が複数ある場合、申込前に確認した版と、実際の契約時点で交付された版を混同しないようにします。交付日時、版番号、ファンド名などを照合してください。電子メールは交付のお知らせだけで、書面本体はマイページに掲載される場合もあります。

閲覧期限や利用環境にも注意します。サービス上で長期間閲覧できるとは限らないため、契約終了後も必要な記録を確認できるように保管します。ただし、保存方法や保管期間は事業者の案内と自身の情報管理方針に従ってください。共用端末への保存や、第三者が閲覧できる場所への放置は避けます。

受領後の確認手順

契約前は、契約締結前交付書面でファンドの仕組み、資金使途、運用期間、手数料等、分配と出資金返還の前提、主なリスクを確認します。「同意済み」という表示だけで確認を完了せず、理解できない箇所を残さないことが大切です。

契約成立後は、契約締結時交付書面を開き、対象ファンド、契約日、出資金額、契約当事者、取引条件を申込内容と照らし合わせます。誤認しやすいのは、申込受付日と契約成立日、募集成立日と運用開始日です。同じ日になるとは限らないため、表示されている日付の名称を確認します。

その後、締結前と締結時の書面を同じ契約単位で保管します。運用中にファンド報告書、条件変更のお知らせなどが交付された場合も、時系列で並べると経過を追いやすくなります。口座への入出金記録だけでは、契約条件や変更理由を十分に確認できません。

相違があるように見える場合は、書面記載の問い合わせ先へ確認します。確認した日、質問内容、回答を記録しておくと、後から整理しやすくなります。契約締結時交付書面を受け取ったこと自体は、元本や分配金の保証を意味しません。

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よくある質問(FAQ)

Q. 契約成立時交付書面と契約締結時交付書面は別のものですか?

A. 公的案内では「契約締結時交付書面」という名称が一般的です。「契約成立時交付書面」は検索や説明で使われる表現として整理し、実際には交付された書面の名称、交付時期、記載内容を確認してください。

Q. 契約締結前交付書面を保存していれば、締結時の書面は不要ですか?

A. 役割が異なるため、両方を確認・保管することが大切です。締結前の書面は判断材料、締結時の書面は成立した契約内容の確認記録です。

Q. 電子交付された書面は印刷しなければなりませんか?

A. 一律に印刷が必要とは限りません。ただし、再閲覧方法や閲覧期限を確認し、必要な期間に内容を確認できる状態で保管してください。具体的な扱いは事業者の案内を優先します。

まとめ

契約締結前交付書面が契約前の判断材料であるのに対し、契約締結時交付書面は成立した契約内容を確認するための資料です。

契約前は仕組み、手数料等、リスクを読み、契約後は契約日、対象商品、金額、条件を申込内容と照合します。電子交付の場合も、受領だけで終わらせず、書面本体を開いて保存場所と版を確認してください。


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参考文献

金融庁「いわゆるファンド形態での販売・勧誘等業務について」

金融庁「金融商品取引契約に係る顧客交付書面のデジタル化について」

e-Gov法令検索「金融商品取引法」