債券と貸付型ファンドの違い|元本の扱い・価格変動・収益構造を比較

免責事項:本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品への出資を推奨するものではありません。将来の運用成果、分配金、元本の返還を保証するものではありません。個別商品の条件は契約締結前交付書面等をご確認ください。

債券と貸付型ファンドは、投資家が持つ権利、元本の扱い、価格変動、収益の受け取り方が同じではありません。債券は発行体が定める条件に基づく有価証券で、貸付型ファンドはファンド契約を通じて貸付事業に出資する商品です。元本の返還は保証されません。

この記事でわかること

· 債券と貸付型ファンドの元本の扱いの違い

· 価格変動と換金条件の違い

· 利子と分配金、確認資料の違い

債券と貸付型ファンドを5つの軸で比較

債券では、発行条件に償還日や利率等が定められ、満期まで保有する場合と途中で売却する場合で元本の扱いが異なります。発行体の信用状況によっては、予定どおりの利子や償還を受けられない可能性もあります。

貸付型ファンドでは、出資者が借り手へ直接貸し付けるのではなく、ファンド契約に基づいて貸付事業に出資します。分配金や出資金返還は運用結果と契約条件の影響を受け、保証されません。

比較の5つの軸は、元本の扱い、価格変動、収益構造、換金条件、確認資料です。似た利回り表示があっても、投資家が持つ権利と成果を左右する要因は異なります。

確認資料も重要です。債券では発行条件や目論見書等、貸付型ファンドでは契約締結前交付書面等を確認します。

目論見書で見る発行条件と、契約締結前交付書面で見る貸付事業の条件は、項目名が似ていても定義が同じではありません。商品ごとに、元本の扱い、価格変動、収益構造、換金条件を確認します。

比較軸債券貸付型ファンド
元本の扱い満期償還の条件と発行体の信用を確認出資金返還の条件と貸付事業の回収を確認
価格変動市場で売却する場合は価格が変動日々の価格変動は把握できない
収益構造利子、売却・償還差損益等貸付事業の収益等に基づく分配
換金条件市場性・売却条件を確認途中解約・譲渡の可否を確認
確認資料発行条件、目論見書等契約締結前交付書面等

元本の扱いは満期と出資金返還で同一視しない

債券の償還は、発行者が定められた償還日に額面金額を返還する仕組みです。ただし、発行体の債務不履行等が起きれば、予定どおり返還されない可能性があります。また、満期前に売却する場合は市場価格での売却となり、購入価格を下回ることがあります。

貸付型ファンドでは償還という言葉が使われる場合があっても、債券の額面償還と同じではありません。出資金返還はファンド契約と貸付事業の回収状況に基づくため、個別書面の条件を確認します。

したがって、満期があるから元本が戻る、運用期間が終われば必ず返還されるわけではありません。どちらも元本の返還が確約された商品として扱わず、それぞれの契約と信用リスクを確認します。

元本の扱いを比較するときは、何をもって返還とするのかを各資料の定義で確認します。

債券の額面償還は発行体の信用リスクに左右され、貸付型ファンドの出資金返還は、貸付事業の運用成果に基づきます。

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価格変動と換金は別々に確認する

債券は金利や発行体の信用状況等によって価格が変動します。一般に金利が上昇すると既発債の価格が下がり、金利が低下すると価格が上がる関係が知られています。満期前に売却する場合は、その時点の時価が損益に影響します。

貸付型ファンドは、途中解約や譲渡が制限される場合もあるため、換金できるか、いつ資金が戻る予定かを契約締結前交付書面で確認します。

価格変動リスクとは、金利や発行体の信用状況によって価格が変動することを言います。貸付型ファンドの換金条件は交付書面によります。

換金条件を見るときは、売却できる市場があるか、申込みから資金化までの条件があるか、途中解約や譲渡が制限されるか、を各書面で確認します。

関連記事:運用期間から考える資産運用

収益構造は債券の利子とファンドの分配金を分ける

債券では、額面金額に対する利子や、購入価格と売却・償還価格との差が収益に関係します。利率と利回りは同じ意味ではなく、購入価格や売却価格によって利回りは変わります。利率は利息の割合、利回りは利息に償還差益や売却益を合わせた収益全体の割合として説明されることがあります。

貸付型ファンドでは、借り手から支払われる利息等が貸付事業の収益となる場合がありますが、出資者が受け取るのはファンド契約に基づく分配金です。

債券では発行体、利率、償還日、信用リスク、途中売却に関する条件などを発行条件や目論見書等で確認します。貸付型ファンドでは、資金使途、貸付先・関係者、返済条件、運用期間、手数料、リスクを契約締結前交付書面等で確認します。

比較の目的は、5つの軸で異なる契約構造を把握することです。

債券と貸付型ファンドの違いを整理したあとも、個別の発行条件や個別ファンドの交付書面は別途確認します。

関連記事:貸付型ファンドの分配金とは?受け取り方と確認ポイント

よくある質問(FAQ)

Q. 債券は満期まで持てば元本が必ず戻りますか?

A. 必ずとは言えません。発行体の信用状況等により、利子や元本の支払いが予定どおり行われない可能性があります。

Q. 債券と貸付型ファンドはどちらも利息を受け取りますか?

A. 同じではありません。債券では利子を受け取る場合がありますが、貸付型ファンドの出資者への交付はファンド契約に基づく分配金です。

Q. どちらも途中で換金できますか?

A. 条件は商品によって異なります。債券は市場性や売却条件、貸付型ファンドは途中解約・譲渡の可否を個別資料で確認してください。

まとめ

債券と貸付型ファンドの違いは、元本の扱い、価格変動、収益構造、換金条件、確認資料に表れます。利回りの数字が近く見えても、権利の内容と確認資料は同じではありません。

債券では発行条件と発行体の信用、貸付型ファンドでは貸付事業と契約締結前交付書面の条件を確認し、どちらも元本の返還が保証されるものとして扱わないことが重要です。

参考文献

1. 金融経済教育推進機構「価格変動リスク」

2. 金融経済教育推進機構「債券価格と金利って、どういう関係なの?」

3. 金融経済教育推進機構「利率と利回りの違いって何?」

4. 一般社団法人第二種金融商品取引業協会「貸付型ファンド」

5. Instacash「ファンドについて」