免責事項:本記事は一般的な情報を提供するものであり、特定の国・通貨・金融商品への出資を推奨するものではありません。円換算額や分配・返還は保証されません。為替リスクの有無や負担主体は商品によって異なるため、個別の契約締結前交付書面等をご確認ください。
為替リスクとは、異なる通貨の交換レートが変動することで、円換算した受取額や事業の返済能力などに影響が生じる可能性です。海外案件では、どの通貨で資金が動き、誰が為替変動の影響を受ける設計なのかを交付書面で確認します。円換算額や分配・返還は保証されません。
この記事でわかること
· 為替リスクと円換算の基本
· 海外案件で確認する通貨と資金経路
· 交付書面で為替の負担主体を確認するポイント
為替リスクは円換算額が動く可能性だけではない
一般に、外貨建ての資産を円へ換算する場合、為替レートによって円での受取額が増減します。円高になれば円換算額が減る場合があり、円安になれば増える場合があります。ただし、貸付型ファンドの海外案件で投資家が直接外貨を保有するとは限りません。
そのため確認したいのは、投資家の出資通貨、ファンドから貸付先へ資金を移す際の通貨、借り手の事業収入・返済通貨、分配や出資金返還の通貨です。途中で通貨が変わる場合、どの主体が換算を行い、為替差損益を負担するかも重要です。
| 確認項目 | 確認する内容 |
| 出資・受取通貨 | 出資、分配、出資金返還がどの通貨か |
| 貸付・返済通貨 | 貸付先への貸付と返済がどの通貨か |
| 換算のタイミング | どの時点のレートで換算するか |
| 負担主体 | 為替差損益が誰に帰属するか |
| ヘッジ等 | 為替変動への対応策の有無と範囲 |
海外案件では通貨の流れを資金経路と一緒に見る
海外案件では、国名だけでは為替リスクの所在を判断できません。日本から海外の法人へ資金が移る場合でも、契約上の貸付通貨と現地で実際に使われる通貨が同じとは限らないためです。
例えば、ファンドと海外法人の貸付が円建てでも、海外法人の収入やその先の貸付が現地通貨建てであれば、為替変動が海外法人の返済能力に影響する可能性があります。この場合、投資家が直接外貨を円換算するリスクとは別の影響があります。
反対に、海外案件というだけで、投資家の受取額が必ず為替レートに連動すると決めつけることもできません。契約上どの通貨で債権・債務が定められているかを確認します。
資金経路にグループ法人が含まれる場合は、各社の役割と利益相反の可能性も個別書面で確認します。通貨の流れだけでなく、関係者の役割も確認します。
途中の法人が現地通貨で事業を行い、ファンドへの返済が別通貨である場合、換算のタイミングが返済能力に影響することがあります。どの契約で換算が起きるかを書面で確認します。
関連記事:海外投資とは?主な方法と新興国投資で確認したいリスク
交付書面では為替変動がどこに影響するかを確認する
契約締結前交付書面等では、為替変動リスクに関する記載だけでなく、貸付先、資金使途、通貨、返済条件、分配・出資金返還の前提も確認します。為替リスクの説明がある場合は、どの通貨やどの取引段階を想定したものかを確認してください。
円換算の例が示されている場合も、その数字を将来の受取額として扱わず、例示に使われた為替レートと実際の換算条件を比較します。将来の為替レートは確定していません。
為替リスクとカントリーリスクは同じではありません。為替リスクは通貨レートの変動に関するもの、カントリーリスクは国・地域の政治、経済、制度等の変化による影響です。両方が同時に現れる場合はありますが、確認項目は分けて判断します。
Instacashの取扱例では、出資金がグループ法人を経由して海外の貸付事業に用いられています。グループ貸付である以上、利益相反の可能性は当該ファンドの書面で確認します。通貨と負担主体は、各ファンドの契約締結前交付書面の条件が優先されます。
取扱例は海外案件であることの説明であり、すべてのファンドで同じ通貨条件になることを意味しません。為替リスクの所在は、出資しようとするファンドの書面でその都度確認します。
関連記事:カントリーリスクとは?海外リスクの見方
円換算の表示を見るときに注意したいこと
募集ページや報告資料に円換算額がある場合は、換算日、使用レート、手数料等の扱いが示されているかを確認します。表示額が概算である場合は、実際の分配・返還時の金額と一致するとは限りません。
また、現地通貨で事業が順調でも、円換算では結果が異なる場合があります。一方で、投資家の契約が円建てであっても、海外の事業者が現地通貨で収益を得ている場合には、その事業者側の為替負担が返済能力に影響する可能性があります。
円換算の例示と、分配・返還時に実際に使う換算条件が同じとは限りません。例示レートを将来の受取額の根拠にしないようにします。
為替リスクの確認は、通貨と負担主体が書面で特定できるかを判断する作業です。
カントリーリスクの確認は関連記事に譲ります。本記事では、レート変動と負担主体に範囲を限っています。
円換算の確認は、換算日、レート、手数料、負担主体が書面で対応しているかを確認することです。
よくある質問(FAQ)
Q. 海外案件なら必ず為替リスクがありますか?
A. 海外案件という名称だけでは判断できません。出資、貸付、返済、分配・返還がどの通貨で行われ、誰が為替変動を負担するかを個別書面で確認します。
Q. 円建てのファンドなら為替リスクはありませんか?
A. 一概には言えません。投資家との契約が円建てでも、海外事業者の収入や返済原資が外貨の場合、為替変動が返済能力に影響する可能性があります。
Q. 為替ヘッジがあれば損失は防げますか?
A. 為替ヘッジの有無だけで損失がなくなるとは限りません。対象範囲、期間、コスト等の条件を個別書面で確認してください。
まとめ
為替リスクを確認するときは、海外案件かどうかだけでなく、出資・貸付・返済・分配・返還の各段階で使われる通貨を確認します。
円換算額は為替レートによって変わる場合があり、海外事業者側の為替差損益が返済へ影響する場合もあります。個別ファンドの契約締結前交付書面等で、通貨と資金経路を対応させて確認してください。
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参考文献
